チューリヒ美術館展で巨匠いっき見‼︎してきた
チューリヒ美術館展@神戸市立博物館に行ってきました。
連休の最終日だったので比較的空いていて並ぶ事なく鑑賞できました。
ポスターのデザインは佐藤可士和氏。
会場は3Fから2Fに降りていく順路。
セガンティーニ→ホドラー→モネ→ポスト印象派→ナビ派→ムンク→表現主義→ココシュカ→フォーヴィスムとキュビズム→シャガール→抽象絵画→ジャコメッティ→クレー→シュルレアリスムの順に巨匠それぞれをクローズアップした展示と、それぞれのグループの作品が交互に観賞できます。
私のようにあまり詳しくなくても、グループごとの展示数が6点前後なので「へぇーこれがナビ派かぁ」と納得できて尚且つだれない構成でした。非常に観やすかったです。
ホドラーとヴァロットン
去年から今年にかけてホドラー展も開催されていましたね。そちらは未見だったので今回観ることができて良かったです。
ホドラーは繰り返しの動きや水平性を表現した「パラレリズム」が特徴です。
フェルディナント・ホドラー 真実、第二ヴァージョン Kunsthaus Zürich.
かなり大きな絵でした。女性は真実の象徴で、回りで不思議な踊りをする後ろ向きの男性は悪の象徴です。真実が悪を制止している様子です。
この絵の正面に立つと自分も悪の一部になって制止されている気分になりますね。
凛とした女性が印象的です。
ホドラーはこんなパンチの効いた絵もありましたが、他は湖の様子を描いた穏やかな絵でした。
Kunsthaus Zürich.
淡いトーンが印象的です。
同じような構図の絵がナビ派のヴァロットンにありました。
こちらは色のトーンが鮮やかです。
ヴァロットンは「訪問」が印象的でした。
Kunsthaus Zürich.
男性が女性の手をとり奥の部屋へ消えていく。
開いた扉の奥は寝室でしょうか。
ビロードのブルーのソファの質感とかなんとなく背徳のエロスを感じます。
ヴァロットンはトランプで一人遊びをする裸婦など色っぽい絵が多かったですね。
本展の目玉 モネ「睡蓮の池、夕暮れ」
Kunsthaus Zürich.
幅6mの大作です。
モネはたくさん睡蓮の絵を残していますが、これは晩年に描いた作品です。晩年のモネはかなり視力を失っていたそうでかなり抽象的な絵ですが、赤い夕日が水面に金色に反射している様子、木立で影になっている空気感、睡蓮のふんわりした雰囲気が感じられます。
近寄ってみると右下あたりはカンバスの白い部分が残っていて巨匠の筆遣いが感じられました。
ゴッホ・ゴーギャン・セザンヌ・ルソー・ピカソ巨匠いっき見‼
Kunsthaus Zürich.
セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」けっこう大胆にラフに描かれてますが、これが完成するのに4年かけてるんですね。奥深いです。
ゴーギャン「花と偶像のある静物画」綺麗な花の後ろに配置された怪しい偶像。静物画は何かを象徴していると言いますがこれはどんな意味があるのか。花=生きているもの、の陰には偶像=神、死、運命がある?想像の膨らむ作品です。
ルソー「x氏の肖像(ピエール・ロティ)」赤いロシア帽の男性と猫。堅苦しくなくて好きな絵です。猫が実家の猫に似ていて可愛い。
ゴッホの描く漁村にある小屋の白い壁の感じや、厚塗りで立体感のある花の表現も近くで観れました。
今回初ムンクでした。
有名な「叫び」はありませんでしたが、「造船所」のように明るくてもしかして手で描いた?と思うくらい力強いタッチのものもあれば、肖像画のように神経質な感じのするぴりっとした緊張感があるものも。
他の作品も機会があれば観たいです。
今回一番面白かったのがココシュカかもしれません。
ココシュカは恋愛に作風がかなり左右される方のようで、恋人のアルマと出会う前と出会ってからと別れた後の作風の変化が心の変化を表しているようで制作年順に観ると涙を禁じ得ません。
再会した作品も
思わぬところで再開できると嬉しいところも特別展の楽しみのひとつですね。
抽象絵画とシュルレアリスム
Kunsthaus Zürich.
ジョアン・ミロ「体操する少女」度胆を抜かれました。隣で観賞していた少女も絶句です。考えるな、感じろの世界ですね。
ダリは楽しく観れましたし、クレーの「スーパーチェス」も面白かったのでこういった分野を観る楽しさも感じられました。
巨匠いっき見‼かなり満足できました。
あまり西洋画に詳しくない私でも流れで西洋美術を感じることができました。
大きい絵を観るのも、なかなか無いことなのでストレス解消にもなりますね。