ワルプルギスの夜は終わってしまったけど、魔女の秘密展に行ってきた
大阪文化館・天保山で開催中の魔女の秘密展に行ってきました。
火あぶり体験とは何なのか?!期待が高まります。
入口横には撮影ブースがあり、ほうきに乗ってる写真が撮れるようになっていました。魔女コスグッズも充実していたので良い記念になりそうです。
この展示会はコスプレ特典があり、魔女コスプレしていくとポスターがもらえるそうですよ。
音声ガイドは2種類。
- 楽しい白猫バージョン
- ちょっと怖い黒猫バージョン
どちらも魔女の帽子付きか帽子無しが選べます。
ナレーションは佐々木蔵之介さん。
けっこういろんな仕事されてるんですね。
去年の京都鳥獣戯画展の音声ガイドも佐々木さんだったな。
ここは迷わず黒猫をチョイス。
タッチペン式の音声ガイドで、もらったシートに書いてある数字を、それぞれ対応する展示物の前でタッチすると音声が流れる仕組み。
シートにはうっすらと魔女の護符が。護符は2種類あるらしく、私のは愛を招く金星の護符でした。なかなかこだわってる!
会場に入って最初の部屋はプロローグ。
ディズニーランドのアトラクションぽいムービーを見ていよいよ展示を拝見。
展示構成はこんな感じです。
第1章 信じるー中世ヨーロッパで信じられていた魔女、魔術などのおまじない、錬金術について
↓
第2章 妄信するー魔女のイメージと魔女狩りに傾いていった時代背景について
↓
第3章 裁くー魔女裁判・拷問・そして火あぶり体験コーナー
↓
第4章 想うー魔女狩り後の魔女について。魔女の絵画や現代の漫画家さんの描く魔女の原画など
なかなかに本格的な展示でした。内容も分かりやすかったです。
展示のボリュームは100点ほどなのでそれほど多くはありませんでしたが、一つずつ丁寧に見ることができました。
面白かった展示物をいくつか…
モグラの前脚の御守り
©Ried im Innkreis, Museum Innviertler Volkskundehaus. Foto: Clemens Mader
魔女が信じられていた中世では、おまじないや御守りで悪魔や魔女の災いから身を守っていたようです。
モグラは暗闇でも良く見える目を持っていることから、魔除け以外にも目の御守りとして好まれていたとか。
また、当時は本物のモグラの前脚を持ち歩いたりもしていたそうです。
ちょっと欲しい。
ミイラ・薬の護符
#ミイラ #拷問 #処刑 #魔女の秘密展 展覧会の注目展示のひとつ「頭部のミイラ」です。実際に薬として使用されていたものです。左目が削り取られているのは、目の病気を治癒するためなのかも知れません。是非、見に来てください。 pic.twitter.com/naEbnuLfYJ
— 魔女の秘密展_公式 (@majo_himitsu) 2015, 4月 2
身体の悪いところを治すためにミイラの同じ部分を薬として飲む。エジプトのミイラを輸入していたそうです。日本でもあったみたいですね。上野 国立博物館の干し首を思い出しました。
ミイラは他にもマルガレータの手のミイラというおどろおどろしいいわくつきのものも。なんでもカトリックの男性と婚約した妹に怒り狂ってプロテスタントの兄が彼女の手を切り落としたとか。
薬として飲む護符も展示されていました。切手風の紙でした。当時は紙でも薬として飲んでいたんですね。プラシーボ効果なのでしょうか。
錬金術師
©Collection musee des beaux-arts de Carcassonne
当時の錬金術は魔法のようなものと思われていたようです。
実際に人造人間”ホムンクルス”を作り出そうとしていたとか。
その製法は蔵之介ナレーションによると、蒸留器の中に人間の精液を入れて40日間腐敗させ、中のものに人間の血液を与え続けるそう。
…
失敗した中身を捨てる時の気持ち。。。
魔女に与える鉄槌
©Mistelbach, Rom.kath.Pfarramt Mistelbach. Foto: Markus Guschlbauer
魔女裁判のマニュアル本で、魔女の見分け方、審問・拷問の仕方、裁判についても書かれています。
この本が出版されたのをきっかけにヨーロッパ中に魔女裁判が拡がったそうです。
現代のSNSの拡散に通じるものがあるように感じました。
当時は戦争やペストなどの流行、天災など社会的不安を何かのせいにしたいという集団心理があったとはいえ、魔女狩りにあったのは身寄りのない老婆や未亡人など社会的に弱い立場の人が多く、中には男性や子供もいたとか。
集団心理って恐ろしい!
ワルプルギスの夜
©Mittelalterliches Kriminalmuseum in Rothenburg ob der Tauber
魔女が空を飛ぶ方法
- ほうき
- 山羊
- 飛行用軟膏
気になる飛行用軟膏のレシピも蔵之介ナレーションで教えてくれました。
軟膏で飛べるって別の意味じゃあry…
とにかく魔女はワルプルギスの夜に空を飛んで集会所に向かい、悪魔と密通したり踊り明かしたりしたそうです。
その様子を描いた絵画もありましたが、意外と和む絵でした。
魔女と悪魔仲良さそう。
ワルプルギスの夜は4月30日にブロッケン山で行われると伝えられています。
拷問具
©The Mainichi Newspapers
異端審問のコーナーでもし魔女の嫌疑をかけられたらどうなるのかを体験して拷問器具展示のコーナーへ。
中央に棘のある椅子が。
ところどころ棘取れているのがリアルでしたが実際に使われたかは不明だそう。
魔女の布は、焼きごてを握らせた手にその布を巻いて3日後に手が化膿していたら魔女という滅茶苦茶な理論のもの。
展示されている布には手の跡がしっかりついてました。
そして苦悩の梨。
金属製の梨型の拷問具で、蔵之介ナレーションによると口に入れてねじを回すと梨がどんどん開いていって顎を砕くという代物。
口以外にも下半身的な所にも使っていて金属なので熱々にして使用したりもあったそう。
聞いてるだけでも痛そうですが、実物は意外と小さくでそんな恐ろしいものには見えなかったです。そこがまた怖い。
処刑執行人の剣とマスク・魔女のシャツ
そしてほとんどの人が拷問に耐えられず無実の罪を白状し処刑されたそうです。
処刑は火刑。
もしくは斬首のうえ火刑。
斬首のほうが温情ある処刑だったというから壮絶です。
当時拷問を受けた人の手紙なども展示されていました。
©Collection Leidner
処刑人はプライバシー保護のためにマスクを被って執行しました。
火あぶり体験は…ちょっと蛇足な感じが否めなかったですね。
処刑時に魔女が着るシャツも展示されていました。
実際に着用されたもので唯一現存しているものだそうです。
火刑にされたのになぜ残っているのか。不思議です。
安野モヨ子の魔女
最後にホッとひと息の現代漫画家さんの魔女原画コーナー。
安野モヨコ先生しか知らなかった。
安野先生の描き下ろし魔女が素敵だったのでポストカードが欲しかったのですが、グッズ売り場で見つけられず。
ポストカード自体はあるみたいですね。
欲しかったなぁ。
そんな感じでかなり楽しめる企画展でした。
残酷な内容が多くて大人向けかと思いきや審問体験などちょっと子供だましみたいな演出があったりしましたが、魔女について一通り網羅していて充実してました。
大阪は5/10まで。その後全国巡回みたいですね。
ちょっと怖い歴史ものが好きな方にはおススメです。